日本屈指の観光地として国内外から多くの人が訪れる富士北麓地域。
雄大な富士山がそびえる地でゴルフ場や別荘地、レジャー施設、温泉施設、地ビールの醸造など多彩な事業を手掛けている富士観光開発株式会社は、その名のとおり、富士五湖エリアの魅力をさまざまなかたちで打ち出し、多くの人に楽しみを提供している。
「富士山をはじめ豊かな自然に恵まれたこの地域がより一層魅力的なエリアとなるよう、 自然をそのまま活かしながら、少しだけ味つけさせてもらっているのが私たちの会社です」
「訪れた人にこの地の素晴らしさを知ってもらい、楽しんでもらいながら、心の豊かさを届けていきたいと、いろいろなサービスを展開しています」
そう口をそろえるのは、富士観光開発で総務の仕事をしている渡辺課長と赤岩さん。
富士山や富士五湖エリアをこよなく愛する2人だ。
さまざまな事業を展開している同社だが、その始まりは昭和34年。今から60年前のこと。
「昔から河口湖エリアは水に乏しい地域で、地元の人たちは水の確保に苦労し、産業も発展しにくい土地でした。水をどうにか確保しようと、地下を流れる富士山の伏流水を汲み上げようと掘削に取り組んだのが当社の起こりなんです」
水脈を発見した同社は、このエリアの発展を目指して、まずはゴルフ場と別荘地の開発に取り組み、そこから事業が広がっていった。
現在は「富士桜カントリー倶楽部」をはじめとするゴルフ場や、家族で楽しめる「富士スバルランド」や「ふじてんリゾート」などのレジャー施設、富士山を眺めながら温泉を楽しめる「富士眺望の湯ゆらり」、国内外で数々の賞を獲得している地ビール「富士桜高原麦酒」の醸造など多彩な事業を展開。
ほかにも「富士桜高原別荘地」やビジネスホテル「ふじざくらイン」なども手掛けている。
「一見するとバラバラに見える事業ですが、その根本にはこの地域の魅力を多くの方に伝え、活性化を図りたいという想いがあるんです。その想いを基本に、時代のニーズに合わせて事業を展開してきています」
渡辺課長は事業への想いを語る。
それぞれのキャラクターに
あったフィールドがある
渡辺課長も赤岩さんも、富士北麓の地で生まれ育った地元人。
2人とも学生時代に一度は地元を離れたものの、就職を機にこの地に戻ってきた。
「学生時代は埼玉にいたんですが、夏休みに戻ってきて富士スバルランドでアルバイトをしたんです。子どもたちとふれあう仕事が楽しくて、子どもの笑顔がいっぱいの仕事はいいなと思ったのが弊社に入社したきっかけです」
優しい笑顔を浮かべて話す渡辺課長。
赤岩さんも満面の笑みで語る。
「私もレジャー施設でアルバイトをしていたんですが、自分がしたことに『ありがとう』って喜んでもらえて、お給料ももらえるのってすごいなって思い、サービス業に就きたいと思ったんです」
数あるサービス業の中で富士観光開発を選んだのは?
「いろいろな事業があるので、さまざまな経験ができ、キャリアアップしていけると思ったからです」と赤岩さん。
渡辺課長も続ける。
「複合企業だからこそ、それぞれのキャラクターに合ったフィールドがあるのが当社の良さです。専門性を高めたい人も、いろいろやってみたい人も、どちらも受け入れられるんです。部署によっては転職するぐらいの転換もあり得ますね」
本社の総務の人がゴルフ場へ、不動産部門の人がレジャー施設へ、という異動も実際にあったという。
渡辺課長、赤岩さんは、ずっと総務の仕事に携わっている。
「私たちのお客様は一般の方ではなく、社員になりますが、お客様に喜んでもらえるサービスを提供するには、まず社員が気持ちよく働けることが大事だと思っています」
「会社の事業が多彩な分、私たちもいろいろな経験ができています。忙しい時にはスキー場を手伝ったこともありますね。それもとてもいい経験になっています」
総務の仕事もサービス業の一つ。同社ではその内容も実に幅広い。
毎年、採用した人が
活躍する姿を見るのが喜び
富士山の世界遺産登録もあり、富士北麓エリアを訪れる観光客は増え続けている。
2020年には東京オリンピックもあり、外国人観光客のさらなる増加が見込まれている。
「富士五湖エリアは今からさらに面白くなっていくと思います。東京オリンピックでは自転車競技の開催地でもありますし、いかに訪れた方に喜んでいただける最善のサービスを提供できるかを日々考えて取り組んでいます。掲示や接客の仕方、食事のメニューや食材など、さまざまなサービスをさらに高めていきたいですね」
渡辺課長の言葉にも力が入る。
これから採用される新入社員の活躍にも、さらに期待が寄せられているはず。
人事も担当している2人が求める人材とは?
「単純ですが、明るく元気な人がいいですね。当社の仕事は楽しさを提供していて、どんな業種でも必ず目の前にお客様がいます。明るく元気にサービスを提供することがとても大事です」と渡辺課長。
さらに赤岩さんが加える。
「すすんでお客様の前に立って動ける人がいいですね。いつもお客様が何を求めているのかを考えられる人がいいと思います」
毎年、採用活動で出会った学生さんたちが入社して活躍している姿を見るのが喜びであり、やりがいにもなっているという2人。
どんな出会いが待っているのか、今年もワクワクしている。
聞き手:佐藤文昭(山梨大学地域未来創造センター)
※2019年3月4日にインタビューを実施しました。富士観光開発株式会社
山梨県南都留郡富士河口湖町船津3633-1
【事業内容】
レジャー事業(各種観光施設の運営)、不動産事業(別荘地、宅地の販売、設計・施工管理)
生活流通事業(LPG事業、事務機器・OA機器販売事業)