地域にとっても

お客様にとっても
オンリーワンでありたい

山梨日野自動車株式会社 / 代表取締役社長 飯室 允敬さん

日々の暮らしの中でよく見かけるトラックやバス。物流や人の移動に欠かせない大型車は、毎日の生活を支えてくれている大切な存在。

山梨日野自動車株式会社は、そんなトラックやバスの販売や整備などを手掛けている。

「生活の中でうちのトラックやバスが活躍している姿を見かけると、やっぱりうれしいですね。頑張ろうって思います」

飯室社長はそう言いながら、にこやかにほほ笑む。

山梨日野自動車は山梨県内で日野のトラックやバスを独占的に扱っている。

「トラックでは、競合他社で山梨に本社があるのは日野だけなんです」

地元に本社を置く企業として、その認知度と信頼性の高さは抜群だ。
その一方で大きな責任も担っている。

「扱っているのは仕事に使う車ばかりです。特に物流に不可欠なトラックは24時間動いていて、トラブルがいつ起きるかわかりません。トラブルが人々の暮らしにそのまま影響するだけに、24時間いつでもトラブルに対応できるように体制を整えています」

そう話す表情も引き締まる。

お客様と直に接する
ディーラーの楽しさを実感

山梨日野自動車の始まりは昭和36年。東京の日野自動車の一支店としてスタートした。その後、当時甲府で三輪トラックを販売していた飯室社長の祖父が、縁あって会社を任されることになった。

祖父、そしてその後社長となった父が販売していたトラックやバスを間近で見て育ってきたという社長。

「幼い頃からトラックやバスを販売することへの憧れはありました。どこかでいつか継ぐとは思っていたんでしょうね」

その想いもあり、東京の大学を卒業後はメーカーである日野自動車に就職。管理部やシステム関係、販売店への営業などを担当し、2011年に山梨に戻った。

「いろいろな仕事を目にしていく中で、やっぱりトラックやバスの販売をやってみたいなと思い、父と仕事の話をする機会に継いでほしいという想いを聞いたことで、戻ろうと決意しました」

入社後は営業課長からスタート。メーカーでも営業はしていたが、販売店に販売するメーカーと、法人客に販売する販売店の営業ではやはり違ったという。

「販売店と現場では求めているニーズも考えもかなり異なりましたね。でもメーカー側の様子や気持ちが分かっているのは大きなメリットです」

「何より、メーカーで営業をしていたからこそ、お客様と直に接することができる販売店の営業の楽しさを実感しました」

お客様と接している中で、あらためて感じる想いもあるという。
それは祖父の時代から変わらない、地域に密着した企業でありたいとうこと。

「祖父の代から山梨で商売をさせてもらっていて、地域のみなさんに支えてもらってきています。お客様にとっても、地域にとっても、困った時にはまず相談してもらえるようなオンリーワンの存在でありたいと思っています」

その想いは4代目である飯室社長にもしっかりと引き継がれている。

現場の声を大切に
自らも想いを発信

一方で、飯室さんが2013年に社長に就任してから、変えてきたこともある。

その一つが現場の声を大切にすること。

「うちは社員から意見が出にくいところがあるなと感じたことがあり、もっとコミュニケーションをとりやすい環境づくりが必要だと思いました」

そこで社員一人ひとりに仕事の量や難易度、3年後や5年後にどういう立場でどんな仕事をしたいかなどを書いて出してもらうことにした。
すると想像以上に正直な想いや意見が寄せられたという。

「上司から聞いていたのとは異なる部下の側面が見えたり、自分が思っていたのとギャップのある意見も寄せられたりと、とても勉強になりました。それらを参考に人事異動を行い、いろんな考えを持った人がもっとふれあえるようにしました」

さらに昨年からは、営業を支援するツールとして、営業マン一人ひとりにタブレット端末を導入した。
情報を共有することが簡単になっただけでなく、日報もタブレットで書き込めるようにして、同僚や上司とのコミュニケーションの場になるようにした。

「お互いの動きが把握しやすく、感じたことや考えたこと、聞いてほしいことをその場で書き込むことができるので情報の鮮度も上がり、社員間のコミュニケーションが活発になりました」

「私ももっとオープンになろうと思いまして、メールやチャターを活用して自分の想いを発信しているんです」

取り組みの効果もあり、社内の雰囲気も変わってきているという。
そんな山梨日野自動車では、どんな人材を求めているのか?

「やっぱりコミュニケーション力がすごく大事だと思います。それと自分の生活がしっかりとできる人ですね。自己管理がしっかりできると心にもゆとりができ、仕事のマネジメントもきちんとできますから」

「学生のうちにいろんなバイトをして、さまざまな世代の人とつきあえるようになるといいですよね。社会に出ると年上の人との付き合いの方が多くなりますから。それと学生のうちに、時間を守るなどあたり前のことがあたり前にできるようになっておいてほしいと思います」

自身も学生時代にもっとやっておけばよかったと思うことがたくさんあるという飯室社長。
そんな想いも含めて、これから出会う学生への励ましと期待を込めた言葉を口にした。

聞き手:澤伸恭(山梨大学地域未来創造センター)

※2019年3月11日にインタビューを実施しました。

山梨日野自動車 株式会社
山梨県甲府市酒折一丁目2-10

【事業内容】
大型車ディーラー(トラック・バス)
新車販売・中古車販売、車検・点検整備・修理、各種保険取扱い

【HP】
http://www.yamanashi-hino.co.jp/